このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

ソフトウェア無線

ソフトウェア無線のシミュレーション

ディジタル信号処理の技術を使ったソフトウェアラジオです。
AMラジオの送受信をシミュレーションして確かめてみましょう。

AMラジオのシステム構成

ソフトウェア無線(ソフトウェアラジオ)のシミュレーションをする前に昔からのAMラジオのシステム構成を確認しましょう。

AMラジオの放送局の構成

放送の為のアナウンサーの音声や音楽信号を電波に乗せて送信アンテナから発信します。電波に乗せる方式は、AM変調(Amplitude Modulation)ですので、キャリア(送信電波)の振幅(大きさ・強さ)を音声や音楽信号の大きさで変化させます。

AMラジオの受信機の構成

AMラジオイメージ受信アンテナで受けた放送局からの電波は、ごく小さな信号ですので高周波増幅器により、ある程度の大きさの信号にまで増幅します。

一方、局部発信からは受信電波(キャリア波)の周波数より455kHz高い周波数の信号を発振しており、この信号と先ほどの受信した信号を混合することにより和と差の周波数の信号が生成され、中間周波増幅器によって差の信号(455kHz)だけが増幅されます。中間周波増幅により大きくなった信号は検波されることによって、放送局から送られてきた音声や音楽信号が取り出されて放送を耳で聴くことができます。

なお、局部発振の周波数を変更することによって、受信する放送局を選択することができます。ソフトウェア無線は、この仕組みをディジタル信号処理技術で実現しています。

ディジタル信号処理によるシミュレーション

これまでは、昔からのアナログ方式のAMラジオ送受信のシステムを確認しました。ここでは、ディジタル信号処理による同システムを構成してシミュレーションしてみましょう。

特徴的なことは、高周波増幅の後すぐにA/Dコンバータで数値化して、以降は全てディジタル信号処理の技術により音声信号を取り出すところです。 それぞれの部分についてより詳細に見ていきましょう。

AMラジオ放送局・AMラジオ受信器(ソフトウェアラジオ)

ラジオ放送局に相当する部分

まず、ラジオ放送局に相当する送信の部分を詳細にみていきましょう。AM変調(Amplitude Modulation)波は、電波となって発射されるキャリア波(搬送波)の信号と音声や音楽信号(変調信号)とを乗算することで可能です。ただし、変調信号には1VのDC(直流)電圧をオフセットとして加える必要があります。数式を確認してください。搬送波の振幅は1Vです。また、変調信号の振幅は0.5Vです。

結果、変調度は50%となります。さらに、上下側波帯の大きさは、数式より0.25倍(-12dB)となることが分かり、これはオシロスコープをFFTモードにして確認することもできます。
*この送信部分はアナログ処理です。

AMラジオのフロントエンド部分について詳細に見ていきます。電波を受けて受信アンテナに誘起した放送信号は、高周波増幅(ここにLCによるバンドパスフィルタを入れることが多い)により増幅されA/Dコンバータにより数値列に変換されます。

また、局部発振では受信周波数と同じ周波数(受信したい周波数)の信号を発振しており、受信信号と乗算することによりベースバンド周波数(0Hz)まで落とす動作をします。

  • フロントエンド部の役割は、局部発振の信号と受信信号を乗算して、①の信号を②と③に移動させること。
  • 二つの信号の乗算によって、二つの周波数を減算した周波数と加算した周波数の信号が得えられることがポイント。
  • ③の信号はフロントエンド部につながる回路で減衰させる。

※用途によっては、高周波増幅においてAGC(Auto Gain Control)回路が必要です。

CICフィルタとダウンサンプラで構成されるフィルタ回路の働きについてみていきます。受信信号がフロントエンド部により0Hzを中心とした帯域の信号に変換されますが、同時にいくつもの他の放送局(違った周波数)の信号も入ってきます。

フィルタ部では、希望する放送局の信号だけを通し、他の放送局の信号を減衰させて混信しないようにします。 AMラジオ放送局の電波の周波数は、9kHzステップと決められています。このフィルタ部だけではごく近い放送局の信号を減衰できませんので、この後の検波部のFIRフィルタで取り除きます。



左の周波数アナライザの計測結果では、2個のCICフィルタと1個のダウンサンプラでは全帯域において(特に1000kHz)減衰が足りなく、他の放送局と混信してしまう可能性があることが分かります。
フィルタ部その2では、CICフィルタの段数を増やして混信しないような構成としてみました。また、フロントエンド部においてもAM放送の周波数帯(522kHz~1629Hz)を選び出すバンドパスフィルタ(LとCによる)が必要です。


ダウンサンプラとFIRフィルタで構成される検波部の働きについてみていきます。“検波”といっても、AM検波回路の働きとは異なりますが、ここでは便宜上“検波部”と表現しています。
この検波部では、ダウンサンプラにより200kHzまでサンプリング周波数を落とすことと、256タップのFIRフィルタにより0Hz~4kHzの信号だけを取り出すことが目的です。
検波部から出力される信号には直流成分が含まれています。この直流成分は通常パワーアンプの入力部分にあるRC回路で取り除かれます。


検波部の働きは、フィルタ部から送られてくる信号から、音声や音楽の周波数帯である0Hz~4kHzまでの信号を取り出すことと、9kHz先には、すぐ隣のチャンネルの放送局がありますので、9kHzにおいて十分な減衰量を得ることです。

また、ダウンサンプラによりサンプリング周波数を200kHzまで落としてフィルタリングしますので、その偶数倍の周波数におけるイメージの大きさに注意する必要があります。このイメージを減衰させるのは前段のフィルタ部の役割です。ここでは、256タップのFIRフィルタを作って使いました。

I 相とQ相の信号はそれぞれ別々にフィルタリングされFIRフィルタで音楽信号帯域のみが取り出されます。その後、I相とQ相の信号それぞれを2乗して加算し、さらに開平することにより音楽信号を取り出します。この処理により、搬送波との位相ずれの影響を防ぎます。
※シミュレーション速度の関係でフィルタ部の構成は簡略化してあります


インターシムでは、ディジタル信号処理回路の部分(S/H器につながる回路)の波形はディジタル信号表示となり、途中で抵抗やコンデンサなどのアナログ部品が接続されている場合、その回路以降はアナログ信号表示に自動的に切り替わります。

ページの先頭へ